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明日のすべて  vol.1

ZINE

Tomorrow Everything Vol.1

I stayed in Okinawa for about 2 months. 

I created and distributed Photos and diary’s ZINE which recorded fragments of that beautiful and hard life in Okinawa. 

 

 

"僕は沖縄へなんのために行くのか、という僕自身の内部の声は、きみは沖縄へなんのために来るのか、という

 沖縄からの拒絶の声にかさなりあって、つねに僕を引き裂いている。

この拒絶の圧力をかたちづくっているもの、それは歴史であり現在の状況、人間、事物であり、明日のすべてである "

 大江健三郎 「沖縄ノート」(1970年)より

 

1970年、大江健三郎はまだ「アメリカ」だった沖縄に滞在した際に、そんな言葉を書き留めた。

僕は一ヶ月半、沖縄の「コザ」に滞在して使い捨てカメラでその生活の一部分を記録してZINEにした。

1972年、沖縄が日本に「復帰」して、戦後70年を迎えた今でも、日本と沖縄の状況は、政治的な関係において、不平等な関係が続いていると思う。 

今日でも、翁長知事は強硬な日本政府を相手に、辺野古の新基地建設を巡って争っている。

彼の言う「明日のすべて」とは一体どのようなものなのだろう。

 

長くない滞在の中で、そこまで多くの人と話せた訳ではないし、多くの場所に行けたわけではないけど、「本土」から来た自分は「観光者」であり           「内地の人間」という立場であってしまうことを、まず感じた。

そして、これから、その関係を乗り越えて、或いは、考えていくためには、まずこの立場について、その歴史について、向き合わなければ本当の意味で 関係できないと感じた。

修学旅行で高校生の頃に沖縄に訪れて使用した使い捨てカメラをその時ぶりに持って、滞在のあいだ、撮影した。

あらゆる反省と明日への覚悟を込めて、その冊子に「明日のすべて」という大袈裟な名前を付けた。

 

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